国土交通大臣認定制度
経営業務の管理責任者に求められる経験とは?
個人を経営業務の管理責任者とするためには、その個人に『経営業務の管理責任者としての経験』が求められます。
その経験とは、営業取引上対外的に責任のある地位にあり、建設業の経営業務に関して総合的に管理した経験をいいます。
具体的には、法人の役員や個人事業主、支店長などの地位が該当しますが、あくまでも『建設業の経営業務に関して総合的に管理した経験』が必要となるので、仮に支店長という立場であっても工事の施工などしか行っていない場合には『経営業務の管理責任者としての経験』としては認められません。
海外での役員経験は『経営業務の管理責任者としての経験』として認められる?
『経営業務の管理責任者としての経験』は、原則日本国内での経験を前提としています。
しかし、例外的に海外での役員経験を認めてもらえる方法があります。
それは『国土交通大臣認定』を受ける、という方法です。
この『国土交通大臣認定』という制度は、対象者は日本人、外国人を問わず、さらに実務経験においても日本企業、海外企業を問わない、となっています。
日本企業だけでの役員経験年数では『経営業務の管理責任者』としての要件を満たすことは出来ないが、海外企業での役員経験もプラスすれば要件を満たすことが出来る、といったケースにおいて有効な手段となります。
認定申請の手続き
大臣認定の申請をするためには、海外企業から資料を取り寄せ、それを翻訳し、さらに公証(※1)を受ける必要があります。
※1
法務省HPより
公証制度とは、国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ、私的法律関係の明確化、安定化を図ることを目的として、証書の作成等の方法により一定の事項を公証人に証明させる制度です。
日本企業での経験の証明は法務局で登記簿謄本を取得するだけですが、海外企業での経験の証明は上記の様に非常に手間と時間がかかる可能性があります。
『国土交通大臣認定』の制度を活用する場合は、時間的な余裕をもって準備した方が良いでしょう。