工事のやり直し
takatoshi48工事のやり直しを依頼することは可能？
元請負人は工事の施工にあたり、下請負人に対して適切な指示を出したり、必要に応じて協議を重ねたりすることで、工事のやり直しが発生することのないように努めなければなりません。
しかし、それでも時には工事の完成が不十分である可能性もあります。
その時に、元請負人から下請負人に対して『工事のやり直し』を求めることは出来るのでしょうか？
答えは『出来ます』。
当然のことながら、そもそも工事は発注者のために行うものなので、完成が不十分なまま発注者に引き渡すようなことはあってはならないからです。
ただし、やり直しの費用負担に関しては注意が必要となります。
やり直し工事の費用負担
工事のやり直しが必要となった場合、必要な費用は原則元請負人が負担する必要があります。
なぜなら元請負人は、工事のやり直しというような事態が発生しないように、施工管理や施工監督を行う義務に基づき、必要に応じて下請負人に対して施工指示を出すことで、現場をコントロール出来る立場にあるからです。
ただし、例外的に下請負人に費用負担させることが出来るケースもあります。
それは、『下請負人の責めに帰すべき理由があるとき』です。
元請負人が適切な指示出しを行うなどしてしっかりと責務を果たしたにもかかわらず、下請負人がそれに従わずに施工したがためにやり直しが必要になった時、などが該当します。
やり直し工事までの流れ
上記の通り、基本的には費用は元請負人が負うことになりますが、実際の工事は下請負人が行うこととなります。
しかし、当然ながらやり直し工事は当初の請負契約の内容には含まれていないものです。
そのためやり直しが必要となった場合には、まず元請負人と下請負人との間で必要な費用について改めて協議し、その上で変更契約書を交わしてから、施工を開始しなくてはなりません。
もしこの変更契約書を交わさずに工事を行った場合には建設業法違反となってしまうので、この点も注意が必要です。
