合法的一括下請負
一括下請負が認められるケースとは?
『一括下請負』とは、元請負人が下請負人の施工に実質的に関与することなく、次のいずれかの状態に該当することをいいます。
- 請け負った建設工事の全部又はその主たる部分について、自らは施工を行わず、一括して他の業者に請け負わせる
- 請け負った建設工事の一部分であって、他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の建設工事について、自らは施工を行わず、一括して他の業者に請け負わせる
これらのような状態を『一括下請負』といい、他の業者に一括下請負させることも、他の業者から一括下請負することも、ともに建設業法で禁止されています。
国土交通省『建設工事の適正な施工を確保するための建設業法 (令和5.1版)』より
しかしこの一括下請負、民間工事で共同住宅を新築する建設工事以外の工事においては合法的に行うことが出来る場合があります(※公共工事においては全面的に禁止)。
それは『事前に発注者から書面による承諾を受けた場合』です。
合法的に一括下請負を行った際の主任技術者等の設置義務
事前に発注者から書面による承諾を受けて一括下請負を行う場合、以下のことに注意する必要があります。
- 建設工事の最初の注文者である発注者の承諾が必要であること
- 発注者の承諾は、一括下請負に付する以前に書面により受けなければならないこと
- 発注者の承諾を受けなければならないものは、請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせようとする元請負人であること(下請負人が請け負った建設工事を一括して再下請負に付そうとする場合にも、元請負人ではなく発注者による承諾が必要)
- 一括下請負に付する元請負人は、主任技術者または監理技術者を設置すること
このように、たとえ一括下請負したとしても、請け負った建設工事に関して、主任技術者・監理技術者の設置などの一定の責務を果たすことが求められています。