建設業退職金共済制度

建設業退職金共済制度とは?

建設業退職金共済制度(建退共)とは、工事現場で働く人達のために中小企業退職金共済法に基づいて国が作った退職金制度です。
事業主が、現場で働く労働者の働いた日数に応じて共済手帳に掛金となる共済証紙を貼り、その労働者が退職する際に独立行政法人勤労者退職金共済機構から退職金が支払われる、という仕組みとなっています。

建退共に加入すると、以下のようなメリットがあります。

・安全確実かつ簡単
退職金は国で定められた基準により計算して確実に支払われます。
手続きはきわめて簡単です。

・退職金は企業間を通算して計算
退職金は、働く企業がかわってもそれぞれの期間を全て計算します。

・掛金が一部免除
新たに加入した労働者(被共済者)については、国が掛金の一部(初回交付の共済手帳の50日分)を補助します。

・掛金は損金扱い
事業主が払い込む掛金は、法人企業の場合は損金(法人税法施行令第135条1号)、個人企業の場合は必要経費(所得税法施行令第64条第2項)として全額算入できます。共済証紙の現物交付及び退職金ポイント により元請負人が負担した下請業者の掛金も、工事原価に算入できます。

・公共工事の受注に有利
公共工事の入札に参加するための経営事項審査において、建退共制度に加入し履行している場合には、加点評価されます。

・電子申請で手続き可能
掛金は、インターネットを利用して電子的に納付することも可能です。これにより、事業主は、共済証紙の購入・貼付・消印および共済証紙の現物管理が不要となります。また、労働者はいつ、どこの事業主で掛金が納められたか確認することが出来るため、掛金納付実態の透明化が図れます。

独立行政法人勤労者退職金共済機構『建設業退職金共済事業本部』より

建退共への加入

建退共には、建設業を営む事業者であれば誰でも、すなわち元請・下請の別を問わず、また建設業許可を受けている・いないとに関わらず全ての事業者が加入することが出来ます。

そして、労働者に関しても建設業の工事現場で働く労働者の大半が建退協共の対象者になることが可能です。
ただし、役員報酬を受けている方や現場に出ない事務職員は加入することは出来ません。
そして、一人親方に関しては任意組合を利用することで対象者となることが出来ます。

建退協共に加入するには、以下のリンク内の『契約申込書』『手帳申込書』に必要事項を記入後申し込みます。

(独立行政法人勤労者退職金共済機構『建設業退職金共済事業本部・各種申請書等』)

なお、建退共制度における掛金の納付は、共済証紙を共済手帳に貼付することにより行われます。
共済証紙は共済証紙取扱金融機関で共済契約者証を提示して購入することが出来ます。
元請業者が工事に必要な労働者の掛金に相当する金額で共済証紙をまとめて一括で購入し、その共済証紙を下請業者の延べ労働者数に応じてそれぞれの下請業者に現物交付します。

事業主は、労働者に賃金を支払う制度(少なくとも月1回)、その労働者が働いた日数分の共済証紙を共済手帳に貼って消印することで、掛金の納付を行います。

なお、令和2年10月に改正中小企業退職金共済法が施行され、建退共の掛金納付方式に、従来の『証紙貼付方式』に加えて『電子申請方式』が追加されました。
詳しくは以下のリンクをご確認ください。

(独立行政法人勤労者退職金共済機構『建設業退職金共済事業本部・電子申請方式について』)