社会資本発展のため増加する事業量
社会資本の老朽化
建設後50年以上経過する社会資本が、着実に増加しています。
日本では高度経済成長期に高速道路やダム、河川や住宅、商業施設など様々な社会資本が整備されました。
コンクリートの耐用年数の目安は50~60年とされているので、今後20年ほどで整備、更新が必要となる施設が頻出することが見込まれます。
国土交通省管轄の道路、港湾、空港、公共賃貸住宅、下水道、都市公園、治水、海岸で、2011年度から2060年度までの50年間に必要な更新費は、年間5兆円、合計約190兆円と試算されています。
このほかにも高速道路のリニューアル工事では、床板の取り換え工事など2015年から2029年までに3兆円規模の工事の実施が予定されています。
新しいインフラ需要
現在日本ではIR(integrated resort)『統合的リゾート』の推進に力を入れ、自治体が誘致に名乗りを上げています。
カジノ、ホテル、国際会議場、展示会場、ショッピングモール、レストラン、劇場、映画館、スポーツ施設などを一体化した施設が開発されていく予定で、観光産業の振興に繋がるのではと期待されています。
また、2025年5月~11月に大阪で開催される日本国際博覧会では、会場の建設費は1,300億円とされています。
開催時の来場者は3,000万人、建設時、開催時を含めての経済効果は2兆円にも上ると見込まれています。
さらに会場である夢洲は未開拓であるため、埋め立て工事、インフラ工事、道路や鉄道の延伸工事などに1兆円以上が投資される計画となっています。
国土交通省『社会資本の適確な維持管理・更新』より
また、リニア中央新幹線建設も計画されています。
世界最速の時速500kmで東京~名古屋を40分、東京~大阪を67分で結ぶ予定で、東京~名古屋間は2027年の開業を目指しています。
『超電導リニア』は、車体も線路も従来とは全く異なるので、多くの新技術を活用しながら建設されることになります。
トンネル、橋、変電所、駅舎など多岐に渡る工事の総投資額は、東京~名古屋間が約5.5兆円、名古屋~大阪間が約3兆円となっています。