建設業における雇用の多様性

業務の裾野の広さ

建設業の仕事は裾野が広いことが特徴です。
例えば、単純な作業から複雑な作業まで、力が必要な作業から細やかさが必要な作業まで、さらには屋外で行う作業から屋内で行う作業まで、実に様々な業務があるため、それぞれの業務に合う人材を広く迎え入れることが出来ます。

女性の活躍

これまでは男性社会であった建設業の現場ですが、徐々に女性の就業率が上がってきています。

一般社団法人日本建設業連合会『建設業デジタルハンドブック』より

腕力が不要な仕事であれば、女性でも働くことは十分に可能です。
例えば、機械の操作やダンプトラックの運転などは力が要りません。
さらに、左官作業や塗装作業・内装仕上作業なように細かい作業を必要とする現場においては、女性ならではの細やかな心遣いを活かすことが可能です。

障がい者の活躍

障がい者雇用の理想は、障がいのある人もない人も同じように仕事や人生を選択出来ることにあります。
ただし、実際の現場においては障がいの種類や重さによっては危険を伴う場合もあり、建設業における業務内容の選定には十分な注意が必要です。
また、サポート体制及び本人の障がいに合わせた指導を行っていくことも重要です。

例えば、知的障がいを持つ従業員に、廃棄物の回収や建設予定現場の草刈りの作業などを任せている会社があります。
知的障がい者の場合、言葉だけでは正しく作業内容を伝えられないこともあるため、色分けした図面を見せながら、清掃道具の位置、廃棄物回収の順番、ごみ箱の場所などを指示します。
そうすることで、たとえ知的障がいがあってもすぐに手順を覚えることが可能となり、作業効率化につながっていきます。

厚生労働省『令和5年 障害者雇用状況の集計結果』より

高齢者の活躍

経験豊富で多くの知識を有する高齢者がいれば、技術や技能を伝承することにより、若い社員のスキル向上や人材育成に繋げることが出来ます。

特に建設業は『経験工学(年齢が高いほど良い仕事が出来る)』ともいわれる業界です。
つまり、高齢になっても現場で活躍できるという特徴を有しているのです。
また、長く働くことで身体を元気に保つことが出来、働く側の健康上のメリットも大きいといえます。