トンネルの建設

トンネルの種類

トンネルの種類は、大別すると4つあります。
『山岳トンネル』『シールドトンネル』『開削トンネル』『沈埋トンネル』です。

『山岳トンネル』は、主として岩盤を掘るトンネルのことで、ダイナマイトを用いて掘削します。
その後、支保工(物体を支えるものの総称。建設業界では固有名詞としても使われる。)といわれる鉄の枠やコンクリートを吹き付けることで地山を支えます。
そして、コンクリートで固めトンネルを構築します。

『シールドトンネル』は、シールドマシンと呼ばれる掘削機械を事前に作り、それを地中に入れて掘り進めていく方法です。
掘った部分にはセグメントと呼ばれるパネルをはめ込みながら、トンネルを掘っていきます。

『開削トンネル』は、上部から土砂を掘削し、その後にトンネル構造物を造り、最後に上から土をかぶせるという方法です。

『沈埋トンネル』は、事前に工場において鉄やコンクリートでできた筒状の構造物を造ります。
そして、それを海や川まで船で運び、沈めてつなぎ合わせることでトンネルを造るという方法です。

『山岳トンネル』

『山岳トンネル』について、さらに詳しく説明します。

山岳トンネルを掘削するためには、まず長さ1メートル程度、直径5センチ程度の穴を多数掘削します。
その後、その先端にダイナマイトを装填し、爆破します。
それにより、約1メートルの土砂が崩れます。
そしてその土砂を搬出した後、その箇所に山が崩れてこないようコンクリートを吹き付けます。
さらに、ロックボルトをコンクリートから地山に突き刺し、地山の奥の方まで一体化させます。
これを『NATM(ナトム)工法』といいます。

通常、一回のダイナマイトによる発破で1メートル掘削し、1日に4~5メートル、1ヵ月で約100メートル進むことになるので、これを『月進100メートル』と言い表すこともあります。

『シールドトンネル』

『シールドトンネル』についても、詳しく説明します。

シールドトンネルは、一般的には都市部の軟弱地盤で利用される方法であり、地下鉄や下水道のトンネルなどに用いられることが多いです。

シールドマシンでトンネルを造るためには、まず立坑(たてこう)を構築します。
その後、立坑の中にシールドマシンを挿入し、発進させます。
シールドマシンを掘進させると、土砂は立坑から外部に出されます。
そして、掘削した後の山が崩れないように、セグメントといわれる工場でつくられたコンクリートや鉄でできたパネルを円形に組み立ててはめこんでいきます。