上下水道の建設
上水、中水、下水とは?
上水とは水道水などの飲用水のこと、中水とは飲用には適さず工業用などに使われる水のこと、下水とは雨水や汚水のこと、をそれぞれ指します。
上水道
水道水を飲むことが出来る国は、実は日本を含めて世界に15か国しかありません。
日本、フィンランド、スウェーデン、アイスランド、アイルランド、ドイツ、オーストリア、スロベニア、クロアチア、アラブ首長国連邦、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、モザンビーク、レソトです。
浄水場において、河川、湖沼、ダムからの水を飲用に適するよう浄化・消毒するのですが、その工程を確認します。
まず着水井で水を受け入れ、沈殿池で細かい土や石を取り除きます。
その後、急速濾過池で微細な浮遊物を取り除き、消毒設備で安心して水を飲める状態にします。
そしてそのきれいな水を配水池に運び、ポンプ場から浄水管を通って各家庭に供給されます。
この浄水場と上水管を造るのが建設の仕事となります。
現在、上水道で課題となっているのは、地震が発生しても断水が起こらないようにすることです。
東日本大震災、熊本地震、大阪府北部地震では水道管が被害を受け、多くの家庭や事業所で断水が起こってしまいました。
そのため、水道管そのものの強度を高めるとともに、水道管の継手が地震の揺れに対して十分な強度を持つよう取り換え工事が進められています。
浄水場の仕組み
1、着水井(水の受け入れ)
2、沈殿池(細かい土砂の除去)
3、濾過池(微細な浮遊物の除去)
4、浄水池(消毒)
5、配水池(上水道へ)
下水処理場の仕組み
1、下水道管(汚水や雨水)
2、第一沈殿池(大きなごみや砂を沈殿)
3、第二沈殿池(小さなごみや砂を沈殿)
4、反応タンク(微生物が汚れを分解)
5、最終沈殿池(微生物を沈殿し消毒)
6、放流(河川や海に放流)
下水道
下水道は、家庭や工場などで使用した汚水をきれいにして川や海に流すだけでなく、街中に降った雨水を速やかに川や海に排水して街への浸水を防ぐ、という役割も担っています。
下水道が整備されていないと、大雨の際に雨水があふれ家や田畑が浸水します。
さらには汚水に含まれる病原菌が流れ出し、伝染病の拡大につながる可能性も生じてしまいます。
発展途上国での伝染病大流行のニュースが流れることがありますが、その多くが下水道の不備が原因です。
下水道は、雨水と汚水を一緒に下水処理場に流す合流式と、雨水は川や海に、汚水は下水処理場にと別々に流す分流式とに分かれます。
そして、この下水処理場と下水管を造るのが建設の仕事となります。
現在、下水道の老朽化が問題となっています。
下水管にひび割れが入り地下水が下水道に流入したり、管路そのものの腐食が進んだりしています。
そのため管路の取り替えを進められていますが、下水道はその多くが道路の下に配置されているため、工事に伴って交通に悪影響を及ぼしてしまいます。
そこで現在では、プラスチック材で既存の下水道管の内側を被覆して強度を高める方法での工事が積極的に進められています。