港湾・空港の建設

港湾の種類と機能

港は、商港、工業港、マリーナ、漁港、に分けられます。

商港とは、都市部にある東京湾や神戸湾などが代表的で、主に貨物を積み下ろすための港です。
工業港とは、工業地帯の近くにある川崎港、四日市港、鹿島港などが代表例で、工業製品や原材料を積みだすための港です。
マリーナとは、ヨットやモーターボートなどの小型船のための港で、湘南港などがそれにあたります。
最後に漁港とは、漁船のための港であり、焼津港、枕崎港など全国に3,000ほど存在します。

港の機能は大きく二つあります。
一つ目は、波や潮の流れから船を守り、安全に停泊できるようにすること。
二つ目が、船をつなぎ留めておくための係留施設です。

港湾のメンテナンス

海を渡る船は港に着く際に航路を通るので、定期的に航路のメンテナンスを行う必要があります。
そのメンテナンスを怠ると、川から土砂が流れ込み、船が通ることが出来なくなってしまいます。
そしてその土砂をすくいとるメンテナンスのことを『浚渫(しゅんせつ)』といいます。
浚渫は二種類あり、一つがポンプにより土砂をすくいだす『ポンプ浚渫』、二つ目がグラブバケットで土砂を掻き出す『グラブ浚渫』です。

川から土砂が港に流れ込まないように森林を整備することと同時に浚渫工事を常時行うことで、安全な船の航行が守られます。

空港建設とメンテナンス

日本は島国なので、港か空港を経由しなければ国外に出ることは出来ません。
また国内であっても、自然災害で道路や鉄道が分断されてしまうと移動が制限されてしまうため、空港を活用して物資を運搬する必要が出てきます。

これらの目的を果たすため、日本の空港は、国外に出るための国際空港と、国内の移動のための地方空港に分けて整備されています。

空港建設上の最も重要な課題が、軟弱地盤対策です。
空港は多くの場合、騒音被害を避けるために海の近くや海上に造られます。
しかし、海の近くや海上は軟弱地盤であることが多く、そこに土を埋め立て空港を造ったとしても地盤沈下が起きてしまいます。
そのため、空港を造る前に大規模な地盤改良をする必要があります。

また、空港完成後も継続的な地盤沈下により、空港の表面が不均一に沈下することがあります。
そのため、空港の沈下に対するメンテナンスは大変重要な建設業の役割といえます。