建築工事の『素材』と『構造』
4種の素材
建築物の素材は『RC造(鉄筋コンクリート造)』『SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)』『S造(鉄骨造)』『木造』の4種類に大別されます。
『RC造』とは、鉄筋の型枠にコンクリートを流し込んで造られるものです。
鉄筋とコンクリートを組み合わせることで、お互いの弱点を補い合う構造となっています。
『SRC造』とは、骨格となる柱の部分に「H型鋼」などの鉄骨を使用し、周りを鉄筋コンクリートで固める構造であり、RC造とS造を合わせた工法となっています。
『S造』は、柱や梁の部分が鉄骨で造られている建物で、鉄筋は使いません。
比較的工期が短く、体育館や工場など広い空間を持つ建築に用いられます。
『木造』は、一軒家や低層のアパートなど、一般的な日本の建物構造です。
それぞれの構造には、メリットとデメリットがあります。
RC造のメリットは、防音性が高く、耐火性、耐震性にも優れている点です。
SRC造は鉄骨の粘り強さとRC造の耐久性、耐震性を兼ね備えています。また、耐火性能にも優れていますが、作業工程が多く複雑になることからコストは最も高くなります。
S造は粘り強さがあり、RC造やSRC造よりも軽量でしなやかな構造です。また、柱のみで建物を支える構造であるため、間取りを比較的自由に設計できる利点がありますが、防音性はRC造やSRC造には劣ります。
木造は防音性、耐火性、耐震性は劣りますが、コストは最も安くなります。
建築の際は、建築物の目的や立地などを考慮し、どの構造で工事を行うべきかを決める必要があります。
防音 | 耐火 | 耐震 | コスト | |
RC造(鉄筋コンクリート造) | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造) | 〇 | ◎ | 〇 | △ |
S造(鉄骨造) | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
木造 | △ | △ | △ | ◎ |
2種の構造
建築物は、先述の『RC造』『SRC造』『S造』『木造』などの『素材』による分類とは別に、『組み方』を基準とした分類があります。
『ラーメン構造』と『壁式構造』です。
『ラーメン構造』とは、柱と梁で強度を出す構造体であるため、間取りの変更が容易に可能で、低層から高層まで幅広い建築物に用いられている構造です。
『壁式構造』とは、壁を組み合わせて建物を造る構造形式であり、柱がないためすっきりとしたレイアウトであることが多く、低層の建築物に多く使われる構造です。