建築費の相場
設計費と工事費で決まる
建築物の価格は、以下のようにして決まります。
建築物の価格=設計費+工事費(材料費+労務費+現場経費)
設計費は、その多くが建築物のデザインを考える建築士の人件費です。
工事費のうち材料費とは、コンクリート、木材、鋼材、内装材、電気器具、空調器具などの製造にかかる費用のことをいいます。
労務費とは、その材料を現地で組み立てたり、取り付けたりするのにかかる費用を指します。
現場経費とは、現場監督の人件費、現場事務所の費用、現場の安全を確保するための費用、近隣住民に迷惑が掛からないようにするための費用、などのことです。
そして、工事費の多くは材料費と労務費が占めるので、使用する材料と建築物の複雑さ、つまりどのような構造で建築するのかによって価格が大きく異なってきます。
構造別・用途別の建築費の相場
構造別とは、木造、S造(鉄骨造)、RC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のことです。
それぞれの用途と坪単価は以下のようになっています。
構造 | 用途 | 建築費(坪単価) |
木造 | 住宅、アパート | 40~80万円程度 |
S造 | オフィスビル、工場、アパート | 50~80万円程度 |
RC造 | マンション、商業ビル、学校、庁舎 | 60~100万円程度 |
SRC造 | 高層マンション、高層ビル | 80~120万円程度 |
続いて、住宅用の建物の法定耐用年数は、木造22年、軽量鉄骨造27年、重量鉄骨造34年、RC造とSRC造は47年となっています。
木造は坪単価が最も安価ですが耐用年数が短く、SRC造は坪単価が最も高価ですが耐用年数が長くなります。
また、どのような用途で建築物が用いられるかによって、建築費の相場が異なります。
そのため、それぞれのメリット、デメリットを考慮し、用途別に構造を決めていく必要があります。
木造 | S造 | RC造 | SRC造 | |
工場 | 45万円程度 | 65万円程度 | 100万円程度 | |
ホテル | 60万円程度 | 100~120万円程度 | ||
分譲マンション | 80万円程度 | |||
賃貸マンション | 75万円程度 | |||
病院 | 70万円程度 | 100~110万円程度 | ||
学校 | 80万円程度 | 100~120万円程度 |