道路、堤防の建設

道路の建設

道路には、一般道路と高速道路の2種類があります。
いずれも事故や渋滞を防ぎながら、街と街を短時間で移動できるようにつなぐことで多くのメリットを生み出しています。
物流が活発になることで経済が振興する、交通事故を防止し人命を守る、地方から都市に短時間で移動できるようになることで過疎化を防止する、災害時の避難や救助を迅速に行えるようになる、などが挙げられます。

一方、新たな道路を造るためには、長い時間がかかります。
ルートを決め、道路建設や道路運用による環境への影響を調査し、用地を買収した後、工事を行います。
特に用地の買収に時間がかかり、道路を計画してから完成するまで10年~20年要するのが通常で、それ以上かかることも決して珍しくはありません。

道路工事の計画

①道路交通情勢調査
道路や道路交通の現況を調査する。

②幹線道路網計画調査
道路交通を分析して将来計画を策定するための調査を行う。
道路交通の分析、需要予測をして、道路網整備計画を行い、交通量を予測していく。

③概略設計
ルート平面図、縦横断面図などを作成する。

④県・市町村との調整
概略設計を基に作った計画について、事前に県や市町村と調整を行う。

⑤環境アセスメント
道路を建設することによる環境悪化を未然に防ぐため、環境影響を調査し、予測評価し、環境保全対策を検討する。

⑥都市計画作成
都市計画区域内の計画ルートであれば、都市計画法に基づく都市計画決定を行う。

⑦予備設計
計画説明に使用する平面図、縦横断面図、構造物の一般図を作成する。

⑧計画説明
測量実施などの了解を得て、道路を造ることを理解してもらうために、地元に対して計画の概要説明を行う。

⑨詳細設計
予備設計に基づき、工事に必要な平面図、縦横断面図、構造物の詳細設計を作成する。

⑩施工協議・工事説明
工事実施の理解を得るために、詳細設計に基づき施工内容について関係機関と協議を行うと共に、地元に対して工事内容の説明を行う。

⑪施工
詳細設計に基づき道路建設を行う。
軟弱地盤の場合、強度を高め、沈下や変形などが起こらないよう留意する。

⑫供用開始
完成した道路を一般の交通として用いるために告示を行う。

河川・堤防

近年、洪水により川の水が氾濫し、堤防を越え街が浸水することが増えてきました。
これは、地球温暖化により降水量が増えていること、さらに森林が荒れることで山が本来有している保水効果が減少し川を流れる水の流量が増えていること、などが原因です。

洪水から街を守るためには、川幅を広げる、堤防を高くする、川筋を真っすぐにする、などの対策が考えられますが、いずれの手段も長い年月と、広大な土地が必要となります。

川の目的が洪水から街を守るためだけであれば、コンクリート張りにすれば済むことかもしれませんが、それでは水辺の自然を保全していくことが出来ません。
そのため現在では、水を安全に流しながらも自然を育むことが出来る多自然型川づくりが進められています。