6つに大別される土木工事
道路工事
道路工事は、高速道路、国道、都道府県道、市町村道に分かれます。
そして、高速道路は高速道路会社、国道は国土交通省、都道府県道は都道府県、市町村道は市町村がそれぞれ計画し、施工します。
道路は人や車の流れをスムーズにし、物流を円滑にすることで国民生活を豊かにします。
一方、自然災害などで道路が不通になってしまうと国民生活に大きな支障を与えてしまうため、早急に復旧しなくてはならないので、建設工事に加えて補修・改修工事も建設業の大きな役割といえます。
河川工事
河川は、一級河川、二級河川、準用河川に分かれ、一級河川とは国土交通省が指定した河川、二級河川とは都道府県知事が指定した河川、準用河川とは市町村長が指定した河川のことをそれぞれ指します。
日本は急峻な地形であり、梅雨期や台風期に豪雨が集中するという厳しい自然環境にあります。
そのため、ひとたび大雨が降ると、河川に水が一気に流れだし洪水を引き起こします。
また一方では、日照りが続けば川の水が減って水不足となり、生活や経済活動に影響を与えることもあります。
さらに、下流域の河川周辺は高密度に利用されていることが多く、治水のためだけに川幅を広げておくことは効率的ではありません。
また、高度利用されている下流域の標高は一般的には低く、堤防をかさ上げすることはかえって被害を大きくしてしまう可能性があります
そのため、洪水を防ぎ、水が豊富な時には貯水し、水不足の時には補給するダムは有効な河川整備手法です。
さらに、ダムによる水力発電はクリーンエネルギーとしてもますます重要視されてきています。
このように、河川や地域の特性を踏まえて、堤防、遊水池、ダムなどを適切な組み合わせで計画し施工していくことが重要です。
港湾建設工事
日本では、国民生活や産業を支えるエネルギーの約9割、食料の約6割を海外に依存しています。
そしてそのうち99%以上が港湾を経由しており、港湾を用いた物流ネットワークの構築は大変重要です。
そのため、船舶旅行の安全性と海上輸送の効率性を両立させた港湾建設工事が欠かせません。
また、循環型社会への転換を進めるため、廃棄物処分場、リサイクル関連施設、廃棄物受け入れ、積み出し埠頭などの物流拠点の整備も今後進めていかなくてはならないでしょう。
さらに、賑わいと潤いのある水辺空間の創出、商業・居住空間の充実といった港づくり、街づくりも行われています。
空港建設工事
空港とは、公共の用に供する飛行場のことです。
主に、旅客機・貨物機などの民間航空機の離着陸に用います。
日本は島国であるため、海外へ移動するには空港を経由し飛行機で移動することが欠かせず、空港建設は非常に重要な建設事業といえるでしょう。
鉄道工事
鉄道が走る軌道工事を行うのは土木工事、駅舎を建設するのは建築工事として行われます。
鉄道を運営するのはJR、および民間企業が運営する私鉄です。
日本は世界的に見ても有数の鉄道国家であり、日本の鉄道技術を海外に輸出することも広く行われています。
また、リニア中央新幹線という浮上式鉄道も今後ますますの発展が期待されています。
上下水道
水には、上水、中水、下水の3種類があり、上水とは水道水など飲用に適した水のこと、中水とは水洗トイレの用水や公園の噴水など飲用には適さず雑用や工業用などに使われる水のこと、下水は生活産業排水や雨水などのいわゆる汚水のこと、をそれぞれ指します。
そして、上水に関しては、上水道や浄水処理施設などを土木工事として建設します。
また、下水管、下水処理施設も同様に土木工事として建設します。
現在、日本の上水道の普及率は98.1%、下水道の普及率は80.1%となっており、世界的に見ると高水準なのは間違いありませんが、他の先進国は下水道普及率100%の国も少なくなく、日本は今後さらに開発をすすめ普及を広めていく必要があります。